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jmf×KOBASHIHOLDINGS

休廃止鉱山の課題

「鉱山」は、わたしたちの生活や産業の基盤を支える金属資源を採掘する土地として鉱業利用されてきました。一方で、金属鉱山では事業活動終了(閉山)後も、カドミウム・鉛・ヒ素等の重金属を含む排水(坑廃水) が坑口や集積場から流出し、住民の健康被害や農作物被害等の深刻な社会問題を引き起こす恐れがあります。 このような事態を防止するとともに、持続可能な土地利用を推進して行く必要があります。「休廃止鉱山」となった 土地と、うまく付き合っていくことが、今求められています。

休廃止鉱山の課題

農家が抱える課題

近年、就農人口が減少し、高齢化しています。2010年に260万人だった国内就農人口は、 2019年には168万人にまで減少し、65歳以上が118万人と約7割を占め、平均年齢は67歳に到っています。 (世界銀行「Employment in Agriculture」2019年9月)。これにより、耕作放棄地や未利用農地が年々増加し、 1975年は13.1万haだった耕作放棄地は、2015年に42万haへ増加しています。耕作放棄地の増加は、 農業の生産性低下、また病害虫や有害鳥獣の発生・廃棄物投棄の誘発など、周辺農地や生活環境への悪影響があります。

日本の耕作放棄地面積は年々増加

資料:農業水産省「荒廃農地の発生・解消状況に関する調査」、「農林業センサス」、「耕地及び作付面積統計」

コケ植物について

陸上で4億年かけて独自の進化を遂げたコケは、ヒートアイランド現象の緩和効果や環境改善素材、 また人の心を癒す園芸植物として、近年注目されています。コケ原糸体は、重金属を含む金属吸着能があり、 坑廃水処理施設等で新たな環境改善素材として活用が期待されています。コケ原糸体は、乾燥状態でも金属吸着能が あることから、コケ原糸体を乾燥させてフィルターとして活用し、使用後はフィルターを燃やすことで金属の回収が 可能です。

コケ植物について

株式会社ジャパンモスファクトリーと共同研究

当社は、これまでに水田造形のあぜ塗り技術を応用した世界初のあぜ型微細藻類培養プールの建設・ 稼働に成功し、持続可能な土地利用を推進してきました。JFMは、世界で初めてコケ原糸体の大量培養に成功した 理研発ベンチャーで、コケ原糸体の持つ金属吸着能に注目し、水浄化技術を研究・開発してきました。両社は、 太陽光を利用したコケ植物培養の共同研究を進め、2021年2月に屋外での大量培養に成功。再生エネルギーを 有効活用したより効率的安定的な大量培養の研究を進めています。

あぜ型微細藻類培養プール

あぜ型微細藻類培養プール

プールで培養されたコケ

プールで培養されたコケ

コケ原糸体でできたフィルター

コケ原糸体でできたフィルター

未利用農地を培養プールへ

当社が造成するあぜ型培養プールを、耕作放棄地を含む未利用農地に設置することで、 未利用農地の有効活用につながると考えています。米や野菜の栽培以外にも農地でできることを増やすことで、 農家の選択肢を広げ、農家の収益性にも貢献できると考えています。

未利用農地を培養プールへ

グリーンイノベーションの実現に向けて

2022年4月、耕作放棄地の課題を抱える岡山県真庭市と連携し、農業用圃場でのコケの大量培養実証試験に成功しました。また、培養されたコケを協働で製品化・販売するチームを組成し、新しい産業を創出するプロジェクトを始めました。当社は、複数の組織と協働することでより多くの未利用農地の有効活用を進めていきます。農家の収益創出に寄与し、未利用農地からサステナブルで環境に優しい新しい農業の形を提案し、新産業を生み出すことを目指します。

グリーンイノベーションの実現に向けて
相互補完の関係
  • 未利用農地を活用し農家の収益性を高める
  • 環境改善素材としてのコケの実用化